昔は仏を供養し、その功徳によって死者が成仏するという考え方でしたが、
今では仏を通り越して死者だけを中心に置き、
仏法僧(※1)の三宝(※2)を敬う事を忘れがちになっています。
仏教の言葉の中に六波羅蜜(※3)(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)というのがあり、
それは信者が実践しなければならない行いとして六つのことをあげています。
その中に布施というのがあり仏や僧に布施する心が成仏への一つの道だったのです。
お墓を建てる心にはそういう昔からの布施の心をも忘れずに持っていたいものです。
布施と供養にも三つあります
三つの布施とは
財施・・・一番多い形式でお金で行う
身施・・・自分の身体を使う
法施・・・仏の教えを人に説く
三つの供養とは
利供養・・・お墓や仏壇を買って供養する
敬供養・・・線香をあげたりお経を読んでもらったりする
行供養・・・自分自ら仏の教えを守り実施していく
(※1)仏と仏の説いた法と仏法を行ずる僧または教団。
(※2)三宝とは三つの宝の意。仏と法と僧。さとりを開いた人(仏buddha)と、
その教え(法dharma)と、それを奉ずる教団(僧sangha)という三つをいう。
(※3)六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための六つの修行をいう。
Q:生前にお墓を建てると長生きするとは?
A:生前にお墓を建てることを寿陵といいます。
寿陵とは古来中国では健康で長生きするといわれ盛んに行われています。
又仏教では生前にあらかじめ死後の冥福の為に仏事を修める事を逆修といいますが、
死後の冥福より生前に修する逆修は七倍の効果があるといわれ寿陵は縁起のいいものとされています。
Q:黒石でお墓を建てると良くないと聞くが?
A:一般の墓相学に迷わされる必要はありません。
そんな事よりもお墓を建てる時にもっと必要な事は祖先の霊を大切に供養する心です。
墓相学では墓によって病気になったり、交通事故にあうとかいいますが、そんな事がお墓によって全て解決する様であれば人間苦労などありません。
墓石についても同じです。どんな家でも栄枯盛哀があり、病気もあれば不幸な出来事が起きるのもあたりまえです。
墓石の色とか石材の質によって幸、不幸が左右される筈がありません。
しかし墓相が好きな方もいると思いますので、気持ちが進めば墓相学に従って建墓するのも一つの方法でしょう。
良い墓のあるべき姿とは遺骨が自然に還れる形である事と祖先の霊が供養をうけられるかたちを共に備えていること、間違えてはならない事は墓を単に納骨の場所と考えたり個人の存在のみ後生に伝える施設としてしまう事です。
これらの誤りが納骨堂と墓記念碑と墓塔との区別を曖昧なものとしてしまうからです。
Q:戒名とは?
A:戒名は法名・法号ともいわれ宗派によって違います。
本来は修行を積んで生前に授けられるのが本当ですが、今は死後に受ける様になっています。
一言で言うと仏様の弟子になる為にもらう名前であり菩薩(仏になる為の修行の期間)として道を歩き始めると言われています。
出来ましたらお墓へ納骨される(49日目)前に石塔に彫刻して心ある供養をしたいものです。